展 示EXHIBITION
修験会館
七宝瀧寺の名宝
修験会館3F(資料館)では修験道に関する秘宝、資料等を所有しており、館内には修験道に関するものだけではなく、犬鳴山の伝統を伝える仏像・法具・書物等も展示されています。
また、天井画には、故大石順教尼の教えを受け継がれた大塚全教尼をはじめとする「この花会」二十五名の皆さまが無心になって描き上げた、日本で初めての修験道曼荼羅が実現されています。
展示一部紹介
天狗行者倚像
修験者の衣装を着て腰掛けた姿勢の天狗像。衣には彩色された輪宝の文様が見られ、目には玉眼が入っています。山岳修行をする修験者は、もともと山野の神である天狗と深い関係がありました。
不動明王二童子四十八使者図
不動明王二童子四十八使者図は、「勝軍不動明王四十八使者秘密成就儀軌」という、密教の規定書に従って描かれているといわれています。
中央に渦巻く火焰を背にした不動明王立像と、眷属(けんぞく)の矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)。向かって右には坐像の、左には立像の48使者が描かれています。
不動明王八大童子図
不動明王八大童子図は、室町時代の作。矜羯羅童子、制多迦童子のほか、6童子が描かれています。左下の宝剣は龍が巻きついた具利伽羅龍で、当寺のために描かれたものだとわかります。
そそり立つ断崖の上に、巻き毛、怒って目を見開いて右側を向き、宝剣と羂索を持って立つ青不動。その下に具利伽羅龍が絡んだ剣と八大童子が描かれています。高野山で修行し、雪舟に師事した等梅の筆です。
尊勝曼荼羅図
尊勝曼荼羅図は、息災・増益・滅罪・請雨などを祈る密教修法の本尊として用いられます。大日如来を中心に、仏の頭頂の広大な智恵を仏格化した仏頂尊を8尊配します。尊勝とは、「最尊最勝」という意味。
一般に尊勝曼荼羅図は、飛天と宝蓋の描かれる上部、大日如来と八大仏頂を描く中部、半月形に降三世明王、三角形に不動明王を描く下部の3部分から成り立ちます。本図にも上部分があったと思われますが、現在は中・下部が残っています。